職業との出会いから学ぶ
人間は職業との出会いによっても、多くのことを学ぶもの。そのことを教えてくれるのが、最近話題の「おくりびと」。生や死についてのテーマを描き、米国アカデミー賞外国語映画賞を取った作品です。
主人公の職業は『納棺師』。この職業との出会いで、主人公の考え方や運命が大きく動き出すのです。一つの職が主人公に変化をもたらしてゆくのです。
本木雅弘さん演じる、主人公の大悟はオーケストラのチェロ奏者でしたが、ある日突然解雇の宣告を受けます。大悟はチェロ奏者としての道を捨て、故郷の山形へ帰ることに。高額のチェロも売り払い・・・
新しい職探しを始めた大悟の目に留まったのが、「旅のお手伝い」とかかれた求人広告。訪ねてみると、山崎努演じる佐々木社長が、面接もそこそこに採用を決めてしまうのです。
事務所には棺が並べられ、具体的な仕事内容も教えてくれません。意を決して、質問した大悟に『納棺師』という言葉が返ってきます。つまり「安らかな旅立ちのお手伝い」をする納棺師を募集していたのです。
最初は、大悟も『納棺師』という仕事に抵抗を感じています。けれども、仕事を通して、厳かな儀式、儀式の流麗さ、佐々木社長の言葉、そして遺族の感謝の弁に、大悟の心は動かされるのです。納棺師という仕事に誇りを持ち始めるのです。
妻や周囲の反応は冷やかでした。けれども、大悟は死に触れることによって、生きる意味や大切さを見出して行くのです。昔、母と自分を残し蒸発してしまった父に対する考え方にも、次第に変化が・・・蒸発した父を受け入れることができるようになるのです。
ある職業との出会いによって、繰り広げられる葛藤、そして人間模様。主人公だけでなく、家族や友達の気持ちまでも変化していく様子が描かれているのです。「おくりびと」の中には、納棺師という職業との出会いが引き寄せた「新たな絆」が描かれています。
同じように、ある職業との出会いが、心を揺さぶり、この先の人生をも大きく変えてしまうということがあるのです。
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